2009年7月4日土曜日

滞在制作その3

今回の滞在制作では、藤さんのブログでもあるように、「これをつくりましょう!」というワークショップを設定していない。

子どもやお母さん、地域の方々が自由にやってきて、その時々に発生する作業をする。

もちろん、見学に来てくれる人、撮影に来る人、差し入れを持って来てくれる人がいたり。休み時間に手伝ってくれる子もいれば、じーっと見ている子もいれば、走り回って遊ぶ子どもたちもいて、それぞれが関わり方を自分で設定する。


子どもたちが授業で歌の練習をしたり、跳び箱をしている横で、黙々と作業をするというなんとも面白い風景。

いろんな人の期待とほどよい緊張感。

恵まれた環境の中で、着々と作業が進んでいく。




















土台はほぼ出来上がり、ドラゴンの頭部制作にとりかかる。ドラゴンの口、歯をつくる藤さん。


5日目には、交野市の星伝説からペットボトルで星をつくることになったり、

ペットボトルで七夕の笹飾りをつくることになったり。

舞台の下にも作業場が広がっていく。


「最初からこれをつくる、と決めていたら大変になることも、現場に集まっている素材と人、そして状況から自然に発生していくと無理な付加がかからない」と藤さんは話すが、それが成立する現場は稀、、今回は奇跡的と言えるだろう。


見せることを最終目的にしているアートプロジェクトでは、どうなるか分からない活動をどう見せていくか難しい。プロセスをどう共有出来るか。それは、その現場の空間や同じ時間を共有すること。そういう意味では、小学校の中に作業場があるというのは、たとえ作業に参加しなかった子どもたちも、否応なくそのプロセスを共有することが出来る。

特に「いっしょに何かをつくる」ワークショップ形式にしなくても、隣で遊んでいるだけでも、日々の作業はみんなちゃんと見ているのだ。


今回の滞在制作は、関わっている人のそれぞれの思いがいいバランス(綱渡り的に?)でつながって、気持ちのいいエネルギーが充満した現場になっている。